2022年6月に「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律などの一部を改正する法律」が公布されました。これにより建築物省エネ法が改正され、わたしたちのお家づくりや暮らしも省エネ基準への適合が義務付けられることとなります。大阪・泉佐野の工務店スマイクルがこの法改正で家づくりにどのような影響があるのか解説します!


脱炭素社会に向けていよいよ昨年2022年10月より省エネ性能の認定基準が変更されました。2025年以降は全ての新築住宅が基準を満たすことが求められるようになります。
省エネ基準とは
省エネ基準は
- 一次エネルギー消費量に関する基準
- 外皮熱性能
の2つの基準から構成されています。
一次エネルギー消費量に関する基準
一次エネルギー消費量とは、建物の利用に伴う直接的なエネルギー消費量を言います。
一定の条件のもとで算出した空調、照明、換気、給湯などの設備のエネルギー消費量の合計からエネルギー利用の効率化設備によるエネルギー消費削減量を減じたものになります。
「基準一次エネルギー消費量」は設計する住宅の建設地の地域区分や床面積などの条件や、使用する設備機器の種類等様々な条件によって基準値が決まるので、同じ地域区分に建築する住宅でも基準値が変わります。
設計仕様で算出した値(設計一次エネルギー消費量)がこの基準仕様で算出した値(基準一次エネルギー消費量)以下となることが求められています。
ポイント💡
基準一時エネルギー消費量≧設計一次エネルギー消費量となること

外皮性能に関する基準
外皮性能の基準には住宅全体の断熱性能を表す外皮平均熱貫流率UA(ユーエー)と日射対策性能をあらわす冷房期の平均日射熱取得率ηAC(イータエーシー)の2つの基準値があり、両方の基準値を満たすことで外皮性能の基準を満たしたことになります。
またこれらの値は、地域区分別に規定されている基準値以下となることが必要です。
外皮平均熱貫流率(UA値)
「UA値」は、住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値です。数字が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。

平均日射熱取得率(ηAC値)
「ηAC値」は、窓から直接侵入する日射による熱と、窓以外から日射の影響で熱伝導により侵入する熱量を冷房期間で平均し、外皮面積の合計で除した値です。値が小さいほど住宅内に入る日射による熱量が少なく、冷房効果が高くなります。

ポイント💡
大阪府の地域区分は5.6.7に当たりますので、UA値は0.87・ηAC値は2.7以下であることが適合基準値となります。
SMICLEの仕様では、UA値は0.58です。
安心ですね。
省エネ適合基準3つのポイント
原則全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務付けられます

建築確認手続きの中で省エネ基準への適合性審査を行います
建築主は工事に着手する21日前までにエネルギー消費性能の確保のための構造及び設備に関する計画を所管行政庁に届け出なければなりません。
届出された省エネ計画が、省エネ基準に適合せず所管行政庁が必要と認める場合には、計画の変更などの支持・命令が行われます。
これらの届け出が受理されたのち、建築確認済証が所得出来ることとなります。完成予定のご希望がある場合は、余裕をもって計画される方が良いですね💡
つまり、これまでは適合する建築物を希望するかどうかの判断が出来ましたが、今後は不適合な建築物は建築出来なくなります。
2025年4月に施行予定です。
今から約2年後の2025年4月以後に工事に着手する建築が適合義務の対象となります。
更には、
・2030年度以降、新築される住宅・建築物についてZEH・ZEB基準レベルの省エネルギー性能の確保を目指す
更に
・2050年、住宅建築物のストック平均でZEH・ZEB基準の省エネルギー性能が確保されていることを目指す
といった方針が発表されています。
建築物の省エネルギー性能はこれからますます求められる時代となっていきそうです。

ZEHって何?【省エネ住宅を学ぼう②】
まとめ

これからお家づくりを始める方にとっては、聞きなれない用語が多く不安に感じられるかもしれません。
また、基準に適合させるためには仕様などもレベルが上がったり、円安やウッドショックなどと合わせて
お家の価格が上がってきているというのは避けられない現状です。
しかしながら、省エネ住宅は快適な空間を造り、少ないエネルギーであたたかさや涼しさを確保できるので
お財布にも優しく、地球にも優しいお家になります。
適合していなければ建築確認が下りないのであれば、住まい手にとっては安心です。
smicleでは、ずっと以前より目指してきた「永く暮らせる安心のお家づくり」
安心してお任せ下さい。
関連法案として構造強度についても改正されました。こちらのブログでご紹介していますので、是非ご覧ください
